石井直方:トレーニングのヒント

石井直方のトレーニングのヒント―筋トレ効果、右肩上がり!“筋肉博士”の最強アドバイ (B・B …/ベースボール・マガジン社

昨日の記事でスポーツの秋と述べたので、スポーツ関連の書籍の紹介。

筆者は日本を代表するボディービル選手であると共に、筋肉に関する研究の第一人者。

2012年時点での筋肉に関連する研究結果をふんだんに紹介し、効率の良いトレーニングのヒントを紹介している。

著者はトレーニングプログラムの3要素は強度、量及び頻度と述べている。トレーニングはただやれば良いという訳ではないということだ。そこには勿論、筋肉痛や超回復という概念も関わってくる。

その3要素を考慮したうえで、筆者は定期的なトレーニングの見直し、適切な強度、負荷設定方法、フレーウェイトとマシンの使い分け等を紹介している。

また、科学的視点からクイックトレ、スロトレ及び加圧トレのメカニズム、体幹の重要性、何故有酸素運動を筋トレの後に行うべきか等を述べている。更に近年の研究結果から分かった、休むことの効果、所謂筋肉の記憶力の話、食事のタイミングに関する考察は非常に参考になった。

私が筋トレを行う理由は、筆者のボディビルディングや最近人気のベストボディ等、見せる為の体を作る競技とは異なり、動ける・使える体を作る為だ。具体的には空手と水泳(メインは2個メ)、加えてランニングだ(ハーフ・マラソン中心)。空手と水泳が速筋系の筋肉を必要としている一方、ランニングは遅筋系中心なのでそのバランスを取る事が結構難しい。

本書はピーキングやピリオダイゼーション等、その辺のバランスを如何に取るかということへのヒントとなる考えも紹介してるので、ボディービルダーのみならず、様々なアスリートへのヒントとなる考えが沢山詰まっていると思う。お薦めです。